
『ビジュアル・シンカーの脳』気になった点まとめ


珍しく紙の本で購入していた『ビジュアル・シンカーの脳』。
購入してから手に取っていなかったのですが、今日読み始めて、すぐに読み終えました。
本は厚みがありますが、参考文献のページが多く、本文はとても読みやすくてあっさりしており、思っていた程時間はかかりません。

ぜひ手に取ってみてください。
購入に至った経緯はここで触れております。↓
今回は私の視点から、この本で気になったことを紹介したいと思います。
Table of Contents
- 1 読むまでの経緯
- 2 気になったポイント
- 3 まとめ
- 4 Amazonのレビューについて
読むまでの経緯
この本に出会ったのは、先ほど貼った日記に書いた通りなのですが、本を購入してから読まずに今日まで置いておりました。
正確には届いた時に数ページは読んでいたですが、紙の本だとどうしても読む場所が限定されるので、後回しになっていました。
今日友人とzoomでお話をしていたところ、「記憶」に関する話題になりました。
その友人は、写真で撮ったように、物事を記憶することができると言うのです。
「ビジュアルシンカー」を思い出しました。
そして、読もう読もうと思いながら手をつけていなかった、この本を読みました。
気になったポイント
私は本を読むのが大好きでたくさんの本を読んできましたが、「読書感想文」を書くのがすごく苦手です。
基本的に「面白い」「面白くない」の一言でしか表現できないので(苦笑)、感想を述べるのではなく、私が気になった点を挙げていきます。
ちなみにこの2つの言葉のどちらかで表すのであれば、「面白かった」という感想になります。
オススメ!!めちゃくちゃ面白い!!とテンションが上がる本ではないのですが、読みやすく、参考事例がとても多かったので知識欲が満たされる感じの本です。
(追記:全部書いた後に思ったんですけど、私が読書感想文を書くのが苦手なのは、視覚思考者だからですね??!)
視覚思考(ビジュアル・シンキング)とは
著者は4歳まで言葉が出ず、まわりの世界を言葉で理解できなかったそうです。
じゃあどのように理解していたか?
「画像」です。
著者は思考するときに、「絵」を使っていました。
考え事をする際に言語を使用せず、ショート動画を見ているように映像や画像を使って考えること、それを視覚思考(ビジュアル・シンキング)と呼ぶそうです。
なるほど。
私自身は、言語思考タイプと視覚思考タイプの両方が当てはまるが、言語思考優位タイプなのかな?と思っていました。
でも、考える時は必ず、頭の中に映像が浮かんでいます。
自分の考えを言語化することに困ったことはないのですし、最近は道を覚えられるようになりましたが以前は苦手でした。
言語思考か視覚思考、どちらかにはっきりと分かれるのではなく、どちらかの傾向が強い、というように幅があるものだそうです。
視覚思考には2種類ある
視覚思考には絵で考える「物体視覚思考者」と、数学が好きな「空間視覚思考者」という2つのグループがあるらしいです。
問題提起
この本を書いた理由の1つは、視覚思考タイプの人たちを排除することによる、アメリカの技術力の低下に危機を感じたからということです。
アメリカの技術力低下の原因は大きく分けると以下の3つ。
- 製造の専門知識を持つ人が辞めても穴埋めされない
- 衣類や玩具、電化製品などの量産品だけでなくハイテク製品の製造も海外に依存している
- 視覚思考者が排除されている
著者は視覚思考者であるが故に、視覚思考者が排除されていることに問題を感じ、この本を書いたのですね。
言語思考者、視覚思考者の特徴
特徴が書かれていたのでまとめます。
言語思考者の特徴
- 一般的な概念を理解するのが得意
- 時間の感覚に優れている
- 方向感覚は良いとは言えない
- プリントを整理するのが得意(子ども)
- デスクトップが整理整頓されている(大人)
- 問題に対する対策を明確にして解決する
- 声に出さずに自分の心に語りかけ自分の世界を構築する
- メールをさっと書く
- プレゼンをこなす
- 小さい時からよく喋る
視覚思考者の特徴
- 頭の中のイメージから高速で連想する
- 地図や絵画、迷路が好き
- 道案内が不要なことがよくある
- 一度しか行ったことのない場所を見つけたりできる
- 子どもの頃に話し始めるのが遅い
- 学校の教え方では苦労する傾向にある
- 抽象的な代数が苦手
- 建設や組み立てのような実際の作業に関係する計算は得意
- 問題を解決するのが好き
- 人付き合いが苦手に見えたりする
なるほど。
私自身は、視覚思考者かな、と思いましたが、代数は苦手ではないですし、学校の授業で苦労した記憶もありません。
道を覚えるのは苦手でした。
話し始めたのは早かったと聞いています。
言語思考者の性質と視覚思考者の性質の両方を持っているなと思いました。
ちなみに視覚思考者は、きちんとファイルをしなくても、何がどこにあるのか把握しているのですが、一般的には「だらしない」とされる人が多いとのことです。
思考タイプの判定テスト
本には、「視覚空間型思考判定テスト」として、18問の質問があります。
「はい」が多いほど、視覚思考者の傾向が強いということらしいです。
ちなみに著者は「はい」が16個あったそうですが、私は13個でした。
18のうち13なので、視覚思考傾向が強いと思います。
編集者や弁護士は大抵「はい」が10よりずっと少ないそうで、この本の編集者は「はい」が4つだけだったそうです。
実際に見たものと視覚思考では、脳の作用が異なる
驚きました。
だって別の記事で私は、「脳は想像したものと現実の区別ができない」と書いていたはずです。
この本を読むまでそう信じていました。
脳は想像したものと現実の区別ができないって何から得た知識だったかな?
忘れてしまいましたが、どうやら違うらしい。
人が目で見ている時、それと同じものを思い浮かべた時とでは、情報を処理する脳の作用が異なるということが明らかになっているそうです。
被験者がものの写真を見ているときは、目から入った情報は、後頭葉にある一時視覚野に送られた後に中脳の領域に入って処理、保存されるとのこと。
同じものを思い浮かべたときは、中脳の領域が直接活性化されたそうです。
視覚と視覚思考では、情報は違う回路を進むと発表されています。
最終的に中脳に行くということで、脳は想像したものと現実の区別ができないって言われてるのでしょうかね??
有能な人物には相棒がいる
思考タイプの異なるもの同士が、それぞれお互いを補い合ってすばらしい業績を残した事例が数多くあります。
複数の例えが出てきますが、よく知られているところで言うと、スティーブ・ジョブズとスティーブ・ウォズニアック。
ジョブズはどうやら視覚思考者だったようですね。
女性はデザイン、男性はプログラム
WEB制作業に携わってきたので個人的に興味のある1文。
今日では、女性はホームページのデザイナーになり、男性はプログラミングをする傾向があると言われているそうです。
ですが、プログラムの草創期には、コンピュータの設計に関わった女性はその数十年後よりも多いそうです。
1950年代には、プログラミングの世界にジェンダーの壁や偏見はまだなかったそうです。
つまり、求められていたのは、ジェンダーとは何の関係もない「空間視覚思考者」だったとのこと。
へぇぇ。
ミケランジェロは極端な視覚思考者
有名なミケランジェロ。
ルネサンス期にダビデ像を作った人ですね。
ミケランジェロは視覚思考者で、なんとこよなく孤独を愛したそうです。
通常、物体視覚思考と空間視覚思考は全く異なるはずなのですが、ミケランジェロは物体視覚思考と空間認識能力の両方がとても優れていたようです。
1人の人間が最高レベルで両方の思考ができるということもあるのだろうかと著者は問いかけています。
ミケランジェロ、相当すごい人だったんですね。
食べ物にも関心がなく、お風呂にも入らず、ベッドで寝る時も靴を脱がないというくらい、生活習慣は荒れていたそうです。
ピカソ
ピカソは10歳になるまで字が読めず、アルファベットの順序も覚えられなかったそうです。
「ピカソは他の子たちがABCと書くように絵を描いた。」
(ガートルード・スタイン)
著者はこの表現が気に入っているとのこと。
デフォルト・モード・ネットワーク
潜在意識界隈で言われてるやつです。
問題に対する創造的な解決策は、脳が自由にさまよっているときによく思いつくという話。
神経科学者はこれをデフォルト・モード・ネットワークと呼ぶそうです。
ゆったりくつろいで脳を休ませているときに独創的なアイデアが思いつくってやつですよね。
音楽を作る人とか、作家さんとか、よく言われています。
これに関しては、又吉さんの話がとても面白かったので急ですが貼りますね。
電車を見た瞬間に、11桁の電話番号が閃いたという嘘のようなお話。
潜在意識が過去の記憶を蓄えているというのは本当なんだなと。
17:13あたりから、脳を調べた時のお話をされています。
「何も考えていない時は、考えている時以上に信号が出ていた」というエピソードがあります。
人間味のない言葉に問題あり
曖昧な言葉を使うと、自分が犯した結果に対する気持ちが希薄になると著者は述べていますが、その通りだと思います。
例えば、浸水した、墜落した、怪我をさせた、という表現ではなく、「異常」や「地面との衝突」と言葉で言うことで、気を軽くさせていると。
人間は動物より優れているわけではない
私がいつも感じていることがこの本に出てきて意外でしたね。
そうだよね〜!
人間が動物にしているひどいことは、いつか人間に返ってくるだろうと、私はずっと思っています。
人間はAIを作りました。
いつか人間も、AIなのか、AIではない何かによって、立場が逆転する時が来るんだろうな、と感じています。
なんで人間ってこんなに傲慢なのかと考えてしまいますよね。
鏡で自分自身を認識できる動物は、チンパンジー、ボノボ、ゴリラ、オランウータン、ゾウ、イルカだそうです。
視覚思考者は動物に似ている
結構強烈な言葉ですよね。面白いなぁ。
私みたいな視覚思考者は、言葉をコミュニケーションの主要な手立てとしないという点で動物に似ている。
ビジュアル・シンカーの脳 / NHK出版
確かにね。
動物は感覚に基づく世界で暮らしているのに対して、人間は言葉を重視する世界で暮らしている。
言葉というものは、感覚情報を欺いたり、妨げたりする。
動物と人間の認知プロセスは、言語活動を無視すれば、基本的にはよく似ているらしいです。
また、人間と動物の違いは、人間の脳に膨大な計算力があることだと言う結論に向かっていて、感情に関する限り、人間と動物は似ているらしいです。
最先端のテクノロジーを開発するのは視覚思考者タイプ
トーマス・エジソン、アラン・チューリング、イーロン・マスクは視覚思考者らしく、成功の出発点は、自由な実験ができる地下室やガレージとのこと。
能力を伸ばすには、体験と助言者が必要らしい。
私には、助言者はいなかったなぁ。残念。
イーロン・マスク
イーロン・マスクも視覚思考者なんですね。
イーロン・マスクは幼い頃からまわりの世界を遮断することができたらしく、一種のトランス状態に陥っていたと母親が語っています。
トランス状態、私もこれは経験があります。
小学校の教室で本を読んでいた時、帰りの会が始まる為にクラスメイトや先生が声をかけていたことに、本の世界に入り混みすぎて全く気が付かなかったという経験があります。
あんなに大声で呼ばれていたのに気が付かなかったと言うことが不思議で、今でも覚えているくらい、印象的だったのです。
そして、イーロン・マスクは、何でも写真に撮ったように詳細に記憶し、それを人に伝えようとする性分があったらしく、そのせいで友達ができなかったようですが、ずば抜けた頭脳の持ち主であることは間違いないと書かれています。
覚えてますか?
この記事の冒頭で、私はなぜこの本を読み始めたか書きました。
友人が、写真に撮ったように記憶するということを聞いて、本を読み始めました。
その友人は、記憶力が高いことを周りに気味悪がられるので、あまり話していないと言っていました。
まさか全く同じエピソードが出てくるなんて!驚
この本で印象的だったポイントはこんなところですね。
まとめ
読書感想文を書くことが苦手なのも、本が大好きで実写映像が嫌いなのも、自分が視覚思考者だからなのかなと、新たな気付きがありました。
どっかに書いていますが、大好きな作品(小説や漫画)の実写映像は見ることができません。
苦痛で。(苦笑)
文章で読んだ方が無限に面白いと感じます。
この本は、ゆる言語学ラジオさんで取り上げられたことで有名になった本なのかな?
帯に書いてあるので。
私もその動画を見て本を読んだ内の1人でございます。
あの動画を見ていなかったら、辿り着いてなかったかもしれませんね。
ご縁に感謝します。
Amazonのレビューについて
Amazonのレビューで興味深いものを見つけたので載せておきます。

ふむふむ。
エビデンスが不明瞭で残念というのは、確かに的を射ていると思います。


確かに、この本は、図が1つも出てきません!
全く、気がつきませんでした。
ビジュアルシンカーは文章を読んで頭でイメージするのが得意ということでは、どうやらないようなのか??
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